運賃・料金交渉に工夫あり!
- shibata025
- 4月4日
- 読了時間: 3分

先日、中小規模のトラック運送事業者の方々に運賃についてお話を聞く機会がありました。
運賃値上げはもちろん簡単ではありませんが、各社で色々な工夫が行われていたので紹介します。
■各社の工夫
K社:2023年に入る前から荷主を2種類に分けて交渉を行ってきた。「どうしても上げるべき荷主」と「できれば上げるべき荷主」。
2024年問題により、こちらの供給力に限界が生じるため、交渉のテーブルにつく姿勢すらない荷主とは必然的に取引継続は難しくなる。
標準運賃については交渉の際に荷主にも見せることはしたが、「できればのゴール」のようなものと捉えており、現状そこまで上げることは考えていない。最近では運賃・料金は毎年改定するように取り組んでいる。
T社:まず「時間」を最優先に仕事を選択する。それだけでは収入低減となってしまうので、そこから運賃交渉を行うという順で取り組んでいる。荷主は、値上げ交渉について少なくともテーブルについてくれるようにはなった。数年前と比べ、2割程度は値上げできたと思う。
O社:「30%値上げしたい」という際にもいきなり30%では受け入れられにくい。時間をかけても15%値上げを2回行うような方法のほうが受け入れられやすい。
U社:スポット輸送については強気の運賃を提示している。定期の仕事については徐々に交渉中。
W社:急に荷主を訪ねて値上げ交渉してもダメ。日頃のコミュニケーションこそ重要。「〇%値上げ」よりも「年間〇円」のほうが受け入れられやすいこともある。
■「働き方改革」は何のため?
2024年問題はドライバーの「働き方改革」のために生じているものですが、
道路事情等により、完全に計画的に動けるわけではないドライバー業務について、
現在の規制は改善の余地があろうとは思います。
とはいえ、働ける時間が少なくなったことが、そのまま報酬の低減につながっているのでは、
本来の規制の目的から外れてしまっています。
本来の規制の目的は、ドライバーの就業環境の改善により、ドライバーを安定的に確保し、
物流を持続可能とすることです。
「労働時間が規制された→報酬が減った→ドライバーが辞めた」という流れにならないよう、
運送事業者の方々は、ドライバーが満足する雇用環境を整えて頂きたいと思います。
それはご自身の会社を持続可能とするはずです。
このために重要なことのひとつが運賃の値上げです。
■行政は規制を守らない事業者のチェックを是非!
運賃値上げ・交渉はそう簡単ではないことはもちろん承知していますが、
法令遵守できようもない条件の仕事を受けて、自社が処分されるのでは
あまりにも馬鹿馬鹿しいでしょう。
たちの悪い荷主があれば、トラック・物流Gメン、下請Gメン等をぜひ活用してください。
行政には、「正直者が馬鹿をみる」ことのないよう、
規制を守らない事業者のチェックを怠らないよう、是非お願いします。
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